金沢市を訪れる外国人観光客数が近年急増し、観光統計でも注目されています。北陸新幹線のアクセス改善や円安、海外メディアでの紹介などが追い風となり、最新統計ではコロナ前の水準を上回る月も報告されています。
本記事では金沢の外国人観光客数の推移や国別割合、人気スポット、増加要因などを最新データをもとに解説し、その魅力と課題を紹介します。
金沢の外国人観光客数増加傾向と最新動向
金沢市を訪れる外国人観光客数は近年急増傾向にあります。石川県の統計によると、2023年の県内外国人延べ宿泊者数は約110万6000人に達し、前年比42.9%増の過去最多を記録しました。また2024年には金沢市内の観光入込客数(宿泊+日帰り)が約1098万人に達し、2019年の水準を超える見込みです。これらの数値は金沢への訪問数がコロナ前の水準を回復・上回りつつあることを示しています。
例えば2024年10月には、金沢市中心部(近江市市場周辺)への外国人訪問者数が1ヶ月で約6万人に上り、そのうち約3万人が宿泊しています。北陸新幹線全線開通でアクセスが改善したことや円安傾向、欧米メディアでの紹介といった要因が追い風となり、特に欧米豪からの関心が高まっています。石川県全体では近年外国人客数の伸び率が全国トップクラスで、金沢市は県内最大の観光都市として多くの訪日客を集めています。
コロナ禍前後の観光客数の推移
パンデミック前の2019年、金沢市は外国人観光客から大きな支持を受けていましたが、2020年以降は急激に減少しました。しかしワクチン普及や入国規制の緩和により2022年から回復に転じ、2023年にはコロナ前の水準を上回る勢いとなりました。石川県のデータを見ると、外国人延べ宿泊者数は2022年の約77万4000人だったのに対し、2023年には約110万6000人へと急増しています。
全国視点で見る金沢の位置付け
石川県の外国人延べ宿泊者数は近年著しく伸びており、ある時期では2019年比で159.4%という高い増加率を記録しました。また金沢市民間調査でも、2019年比で金沢・長野のインバウンド増加率が東京・京都を上回る結果が出ています。首都圏や関西圏では依然として外国人宿泊者数が多いものの、金沢など地方都市の観光需要が全国的に注目されています。北陸新幹線全線開業後、金沢は地方観光の急先鋒として海外からの人気が高まりつつあります。
金沢を訪れる外国人観光客の国籍・割合

主要国・地域別の来訪者数
金沢を訪れる外国人旅行者は、国籍別では欧米豪の比率が高まっているのが最近の特徴です。最新の調査によると、アメリカやオーストラリア、台湾などからの来訪者数が上位に位置し、英語圏や台湾の観光客が一定数を占めています。例えば沿岸部ではアメリカからの旅行者が約13%と最多で、次いでオーストラリアや台湾からの観光客が続いています。一方、石川県全体の宿泊統計でも、中国(香港含む)・韓国・台湾・米国・オーストラリアの上位5か国・地域でインバウンドの6割以上を占めており、依然として東アジアからの訪問者が大きな割合を占めています。
欧米豪と東アジアの動向比較
近年は欧米豪出身の観光客の伸びが特に顕著です。欧米豪からの訪日客数はコロナ前を上回る勢いで増加しており、金沢市でも欧米系の旅行者数が急増しました。一方、中国や韓国からの訪日客は徐々に回復しているものの、まだコロナ前の水準には戻っていません。例えば2023年時点では、欧米豪からの来訪者数が前年同期比で数倍に上っており、これまで多かった東アジア勢の割合を大きく上回っています。このように、金沢では欧米豪勢の伸びが東アジア勢の回復を牽引している状況です。
外国人観光客に人気の金沢観光スポット
兼六園・金沢城公園:四季折々の景観
兼六園は金沢を代表する観光地で、日本三名園の一つに数えられます。春の桜、秋の紅葉、冬の雪吊りと、四季折々の美しい庭園風景が訪れる人々を魅了します。兼六園に隣接する金沢城公園も見どころで、城門や石垣を背景にした庭園散策が楽しめます。特に「徽軫灯籠(ことじとうろう)」を背景に写真を撮る外国人観光客が多く、金沢のシンボルとして世界中に知られています。
ひがし茶屋街:伝統文化の街並み
ひがし茶屋街は江戸時代の面影を残す歴史ある町並みで、金箔屋やお茶屋が立ち並ぶエリアです。石畳と木造建築の風情が写真映えし、着物で散策する観光客も多く見られます。近隣には加賀藩ゆかりの金箔を扱う店もあり、訪れる外国人は金箔貼り体験で縁起物に金箔を付けるなど日本文化を楽しんでいます。
21世紀美術館:現代アート
金沢21世紀美術館は斬新な建築と現代アートで知られる観光スポットです。ガラス張りの「交流ゾーン」や水中に人が浮かぶような「レアンドロのプール(スイミング・プール)」など独創的な展示が人気で、訪問者は写真撮影を楽しみます。国内外のアーティストによる企画展も頻繁に開催され、アート好きの外国人観光客を魅了しています。
近江町市場:地元グルメ体験
近江町市場は金沢市民の台所とも呼ばれる食の市場で、新鮮な魚介や加賀野菜の店が軒を連ねます。市場内には寿司店や海鮮丼の店が並び、外国人観光客は豪快な海鮮丼や旬のカニ料理に舌鼓を打ちます。また金沢名物の寿司ネタである白えびやノドグロなど、ご当地グルメを目当てに訪れる旅行者も多いです。
外国人観光客数増加の要因と課題
アクセス改善:北陸新幹線の影響
2015年の北陸新幹線金沢延伸以降、東京や大阪から金沢への移動時間が大幅に短縮されました。これにより日帰りや短期旅行で金沢を訪れる外国人が増加し、観光客の利便性が向上しています。また近年は小松空港に中国・台湾・韓国からの直行便が開設され、アジア各国からのアクセスも改善しました。
経済要因:円安と海外需要
近年の円安も金沢への訪問者増加に大きな影響を与えています。日本円の価値が下がったことで、日本旅行の費用が割安になり、特に欧米豪やアジア各国で訪日需要が高まりました。金沢では宿泊施設や飲食店ともに質が高い一方で価格も魅力的なため、欧米豪などの旅行者が増加しやすい環境となっています。
プロモーション・安全性:金沢の魅力
金沢は治安が良く、安全な旅行先としても評価されています。大都市に比べ犯罪率が低い「安心して旅行できる街」というイメージが広まり、特に欧米豪の家族連れなどに好評です。また近年、世界的な観光メディアで金沢が紹介される機会も増えています。有名雑誌や旅行サイトで金沢の名所や文化が取り上げられ、世界中の旅行者に認知度が高まっています。
増加要因の比較
金沢市の外国人観光客増加を後押ししている主な要因をまとめた表です。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 北陸新幹線全線開業 | 東京・大阪から金沢へのアクセス短縮で観光客が増加 |
| 円安傾向 | 海外から見て日本旅行が割安になり訪日需要が増加 |
| 海外メディアでの紹介 | 世界的な観光情報で金沢が注目され、関心層が拡大 |
| 治安の良さ | 安全な旅行先として欧米人に高評価、ファミリー層にも人気 |
課題:観光客集中と分散対策
金沢観光の発展に伴い、混雑緩和の課題も浮上しています。主要観光地が市街地に集中するため、祭りや大型連休など繁忙期には兼六園や近江町市場周辺が混雑する傾向にあります。これに対応して石川県では以下のような分散観光策を進めています:
- 兼六園・近江町市場周辺への観光客集中の緩和
- 加賀温泉郷や能登半島など周辺地域への誘客促進
- 日本文化体験や地元イベントを組み合わせた滞在型プランの開発
このように周遊ルートや体験メニューを増やすことで、観光客が金沢市内だけでなく周辺地域にも展開するよう促しています。
まとめ
ここまで見てきたように、金沢市の外国人観光客数は近年めざましく伸びており、統計上でもコロナ前を上回る実績を出しています。北陸新幹線によるアクセス改善や世界的な円安、安全・安心な都市イメージ、そして積極的な観光PRなど複合的な要因が金沢観光を後押ししています。
一方で、観光客の集中による混雑や地元資源の偏りも課題です。今後は分散型観光の促進や地域連携による課題解決が求められます。金沢は今後も安全・安心な観光地として世界中の注目を集め、さらに多くの外国人観光客を迎えることが期待されます。
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